アイルランドでの実生活上の問題

 長い文章ばかり続きましたので、ここらで、私の家のまわりの様子を紹介したほうが、私のことを理解してもらう上で有用だと思い、写真の掲載を設定しましたが、何回やってもうまくいきません。 設定の指示どおりやっているのですが、ウェブサイトが遮断されたり、写真抜きで文章だけが出てきたりします。
 というわけで、もう少し、文章だけを続けます。 で、アイルランドのことは、いっぱい書きたいことがあるのですが、このあたりで、今、アイルランド人の恋人がいて、こちらに来ようとしている人のために、ちょっと細かいことですが、新生活でいろいろ直面する問題について書きます。
 
 まず、あなたが、日本国籍をお持ちの方であり、そして、日本国籍を辞めたくない場合、いくら、アイルランド人の配偶者といえども、2年に一度、滞在許可の更新を受けなければなりません。 これは、もよりの警察署で行います。 この滞在許可の更新自体は、日本にいる外国人も同じでしょう。 ここでは、初回は、指10本全部の指紋と両手の手のひらの画像をとられます。 しかし、この国では、どうかすると、そこの担当の警察官の裁量でその交付の仕方が大きく変わります。

 私の場合は、以前の警察官は、非常に親切で交付も何の問題も無くスムースに済ませてくれましたが、今の担当の若い女性警官は、非常にむずかしい人で、ただでさえ英語の完璧でない私たち外国人を相手にする仕事なのに、大きな音量のラジオを聴きながら質問してきたり、また、言っていること自体も理不尽なことばかりでした。 まあ、何とか下手にでて、怒りの感情を抑えて、2年毎の交付を行っています。 こちらに住む私の知っている数人の日本女性も同じような経験をしています。 
 
 日本で、一般的にある市報のような、自治体がどう運営されているか、しようとしているか、などを知らせる公的な情報は、無いと思います。 少なくともペーパーになって、各戸に配布されるようなものはありません。 以前は、時々、簡単なものがカトリック教会にあったようですが、私は、行きたくもないし、今はそういったものもあまりないようです。 だから、近所で、何が起こっているのかは、あなたのアイルランド人の配偶者が、アンテナをよく張り巡らせている人ならよくわかるでしょうが、そうでなければ、ローカル紙を何部も買わなければなりません。 それでもよくわからないでしょうがーーー。

 選挙権は、地方参政権がありますが、これも日本で言う県会議員か市会議員を選ぶようなものだけで、しかも自治体の広報活動がよくないので、私のような外人にはさっぱりです。 まあ、これなどは、私の努力不足もあるのでしょうがーーー。

 それと、子供の教育のことはちょっと前に書きましたが、その他に、日本で言う小学2年生ぐらいのときに、こちらで言うコミュニオンという儀式があります。 私の辞書には、聖体拝領とありますが、聞いたことありますか。 とにかく、その儀式は、小学校が教会と連携して行っているのです。 私の息子も今度の5月ごろその儀式に参加します。 私自身は、もちろんあまり気分のいいものではありませんが、まあ、子供が出たいというので、そうさせるつもりです。 クラスメートから、いじめがあっても困りますからね。 もう一つ似たような儀式が、小学校高学年でもあります。

 いまちょっと、すぐに思いつくのはこれぐらいです。 ああそれと、いまは、アイルランドのどんな施設ででも結婚式をあげられますが、たとえばホテルでなどで。 でも、まだ多くの人は、カトリック教会で挙式したいらしいです。 で、そのためには、教会の主宰する研修会のようなものに行かなければなりません。 私もしぶしぶ行きました。 案の定、そこの人間は、あまり親切ではありませんでした。 まあ、私だけの経験かもしれませんが、これは。 それと、私は、教会から、英語で書いた両親からの宣誓書と独身証明書のようなものを出せ、と言われました。 

 もちろん、私の両親は、そんなもの英語で書く能力もないし、私も邪魔くさかったので、自分で日本語の原文を書いて、その訳文も私がその下に書いて、自分の判子を押しておきました。 赤い朱肉を見て、それで納得したみたいでした。 それと、日本には、独身証明書のようなものはない。 戸籍謄本があるから、それを見るか、と私が言ったら、そしたらそれはもういいと、なりました。 

 まあ、いろいろ文化習慣の違いがありますので、どうか気を長くして対処してください。 また、上に書いたように、担当者の裁量によって、かなり変化が激しいので、まあ、ある意味では、私がいままで書いたことは、何の役にもたたないということに、なるかもしません。

 また、アイルランドでは、公務員や公的な機関にいるものは、そのポジションをいつまでも堅持できます。 出世してより高給にでもならないかぎり、異動はしたくないし、させられない。 ですから同じ人間がずっとそのポジションにいることがあります。 私のビザ担当の嫌な警官も、もうかなり長いです。

 そう、どんなに出来の悪い教師がいても、校長がいても、そのポジションから排除することはほとんど不可能です。 犯罪などを起こさない限りは。 いくら、ローカル紙が、その学校の運営のひどさを記事にしても。 教育委員会的な存在は、かく学校毎にあるようですが、このような問題には無力です。
 
 これは、私の子供が行こうとしていた小学校のことです。 だから、今は、違う学校に行ってます。 日本では、モンスターペアレントなどという言葉があるらしいですね。 日本では、私は、どちらかといえば、教師の方に同情しますが、こちらアイルランドの強い権利に守られ、ストばっかりやるふてぶてしい公務員には、同情の余地はありません。
 
 このへんは、ある程度ヨーロッパの多くの国で共通でしょうね。 だから、年配の人の雇用やその権利は、確固たるものがありますが、若者の就職率がとても低いのでしょう。 これは、構造的であって、今回の不況と直接関係ないと、私は思います。 もちろん、今は、若者にとってよけい厳しいものがありますがーーー。 まあ、経済問題は、専門家の意見を聞くほうがいいですね。 

 今回は、かなり、重箱の隅的な話になってしまいました、すいません。 次は、もう少し興味を持つ対象者が多くなるような話題にします。 それは、私が、日本での仕事をやめてこの国に来た理由と私の国際結婚の経緯についてです。