アイルランド概要 その3

 こちらは、今、1月8日の夜9時前です。 こちらの夕方のニュースで、アイルランド全国の学校が、来週も水曜日まで休校になることがわかりました。 それだけ、天候と道路事情が悪いのです。子供たちは、喜んでます。 私も、車が出しにくい以外は、寒いけれどいつもとちがって快晴の日が続いており、外で子供たちとサッカーしたり、犬とたわむれたりできるのでうれしいです。 前にも書きましたが、今以上にアイルランド経済に悪影響がないことを祈りますがーーー。

 それで、ずっとアイルランドという国や人々の非難めいたことを書いているように感じる方もおられるかもしれませんが、すべてのことは表裏一体、いい言い方もあれば悪い言い方もある。アイルランド人が時間にルーズといっても、それをゆったりしているとか、落ち着いているとかと表現出来ますし、あくまで、私の価値観からくる評価です。それと、私が書く内容も、アイルランド人の大体の傾向であって、もちろん個人個人ちがうということは、このブログを呼んでくださる皆さんは、当然おわかりだと思います。 

 また、私自身は、今現在、とても幸せであるということを言っておきたいです。 アイルランドに来て、今こういう情況にあることをほんとラッキーだと思っています。 昔、日本にいた状態に戻ることは考えられません。 でも、今、私が、毎日経験しているこの国での出来事で、自分の考え方・価値観とは、異なることを日本の皆さん報告することは有意義であると思い、こうして書いています。

 アイルランド人を言う場合、その宗教無しには語れません。 もちろん、敬虔なカトリックです。 私は、その人がどんな宗教活動をしようと、他人への迷惑がなければ問題はありませんし、そういう人と友人になることもあるかと思います。 教会に週何回行こうとかまいません。 でも、宗教が、教育の中に入ってくることには強く反対します。アイルランドでは、学校とカトリック教会が、一体というしか日本人の目には写りません。 公立小学校の土地の90%以上は、カトリック教会の所有です。 授業科目でも、最初の年(4~5歳の子供のクラス)から、カトリックの教義にもとづく教科書を読まされます。
私の子供たちの行っている小学校では、3年ごとに演劇会のような子供たちのお芝居をしますが、その題材もクリスマスとキリスト教に関する逸話ばっかりです。


 本当に、この国では、すべての文化活動が、キリスト教の教えに関するものです。 それは、厳密に言えば、世界中の伝統文化は、ほとんど広い意味での宗教に由来します。 日本もその例外ではありません。 しかし、日本の場合は、ほんとに広い意味での宗教による伝統行事が主流であるのに対し、キリスト教は、何事も具体的に言及するので、その信者であるということは、たとえば、イエスキリストが、行ったとされる奇跡を信じていることになりますよね。 おまけに、アイルランド人は、カトリックであるため、マリア信仰も非常に強く、マリア像から涙が出ただどうのという話題に、国中が騒ぎます。 

 ちょっと、それたかもしれませんが、とにかく、私は、私の子供のためにも、学校とカトリック教義を分離してもらいたいと思います。 こんなことを言っても、だめでしょうがーー。

 ところが、ここ数年、アイルランドで、大問題となっている事件があります。 それは、何十年もまえから長いことあった出来事なのですが、昔、アイルランド人は、貧しくて、多くの人(特に子供たち)が、カトリック教会の施設で、孤児のように労働や寝泊りをして、生活した時期がありました。 学校のように昼間だけ、そういう施設に通っていた子供たちも多かったようです。 しかし、その教会の施設で、おびただしい性的虐待を子供たちは、そこの神父や司教たちから受けていたのです。 去年の暮れも、この事件の新たなレポートが、政府から発表され、アイルランド社会全体に大きなショックを与えました。
 しかし、しかし、私から見れば、そのことによって、この国の信者の信仰そのものに大きな変化は、無いようです。 いやそれ以上に、ある地域の住民たちは、かって別の地方でそのような虐待を見過ごしていた司教を、今は、りっぱな自分たちの司教であるとして、辞職の圧力から、その司教を擁護する発言までしていました。

 まあ、この国の信仰心は、そう簡単に無くなるものではないでしょうね。 書いたように、すべての生活に宗教が密着しすぎていますから。 カトリックの教義を失うことは、死ねと、いうことになるのかもしれません。 まあ、昨今、日本を含め、世界中の国々が、より自己主張を強めているということもあり、こういうことは、そう簡単に消えていくものではないのかもしれません。