部落差別の理解に役立つ本

 ブログをやっている人には、わかることですが、いつも記事を書き終え、決定のボタンをクリックすると、他の人が、こんなものを書いてます、という画面に変わりますね。 私も、これまで、169回書きましたが、いつも誰かのブログが、その画面に紹介されていました。
 
 しかし、前回先週金曜日の士農工商の記事のあとには、1つもそういう記事の紹介がなくて、何か別の画面みたいでした。 こういうこともあるのですね。 いかに、その辺の関連の記事が少ないか、あるいはヤフーブログの限界なのか。
 
 まあ、とにかく、もう少し、この関係でいきますが、今日から、こちらの学校は、中間休みに入るので、家族が家にいます。 その関係で、記事の数、分量とも少なくなると思います。 で、今日は、私の部落の歴史観からちょっと離れて、部落問題の理解の参考になる本を紹介したいと思います。 (注;私のブログでは、有名人は、敬称略です。)
 
 それで、まず、日本の若者、特に東日本の若者に読んでほしいのが、今現在の部落の実状を知るための本です。 それには、角岡伸彦(かどおか のぶひこ)の 「被差別部落の青春」や「とことん部落問題」、それと上原 善広(うえはら よしひろ)の「日本の路地を旅する」などがいいと思います。
 
 これらの著者は、自身が部落出身であるので、安心して見ていられます。 というのは、そうでない著者では、本を完全に読んでしまわないかぎり、何を言おうとしているのか、わかりにくいことがあるからです。 まあ、部落出身の作家と言えども、全員が全員、良心に基いて書いているとは限りませんが、この二人のは、大丈夫です。
 
 この上原善広という人は、去年、週間朝日の佐野某という作家の記事で話題になった大阪市長、橋下徹の出自を、それ以前に他の雑誌で記述していた人です。 私は、その雑誌の記事の内容を見ていませんが、佐野某の記事(こちらはほとんど読んだ)のような否定的なニュアンスは無い、と信じます。
 
 その他では、エラい先生方の書いた部落の歴史や差別の悲惨さ、罪悪さを書いたような本は、大きな本屋ならいっぱいあると思いますし、今は、オンライン・ショップもあるので、とっつきやすそうなものから入ればいいと思います。
 
 ただ、1925年ごろに初版された高橋貞樹というひとの「被差別部落一千年史」という本は、この著者が、当時若干19歳という年齢だったということを考えれば、驚嘆に値します。 ちらっと読むだけでも、価値はありそうです。 この時代に、こんなすごい部落出身の若者がいたと。
 
 私も、被差別部落が、日本のどこにでもあって、虐げられた人々は、どこにでもいるとは思っていましたが、現在の東北地方で、周囲に配慮しながら皮革関連の仕事をしている人たちの生活の実態を知ることが出来、感動したものです。 (「日本の路地を旅する」より)
 
 でも、それらの本の取材の時期も、もうすでに10年近く経っている地区もあります。 そういう、あまり部落自体の数も人口も少ないような地方の部落は、近いうちにほとんど消滅してしまうでしょう。 ですから、こういうことに関心のある人(特に若者)は、是非、そういうところを自分の目で確かめ、いろいろ考えてもらいたいと、私などは思います。