また出た、NHKの「邪馬台国」スペシャル

  先日、NHKスペシャルで、「邪馬台国を掘る」というタイトルで、奈良桜井市の纏向遺跡の発掘状況を紹介していました。 NHKは、この遺跡の発掘調査を、長年にわたって密着取材しているみたいですね。 そして、いつか出るかもしれない大発見の大スクープを報道し、かつ、このようなスペシャル番組を作りたいという意図が大いに感じられますね。 果たして、そう、うまくいきますかね?
 
 私自身も、この纏向遺跡のある地域は、日本へ帰るたびに訪れていて、非常に愛着のある土地です。 私の実家の周辺とこの遺跡の周辺とは、地形も住宅の混みぐあいなどもよく似ていて、私には、第二の故郷とも言える雰囲気のあるところです。 実際、私の故郷も、姫路地方では、古墳のある土地として有名です。 
 
 この纏向遺跡の発掘現場の周辺も、何度も歩いており、すぐ近くのスーパーで、飲み物を買うなどお世話になっております。 最近、ここからいろんな発見がなされているので、次に訪れるのが、とても楽しみです。
 
 まあしかし、そのスペシャルの番組に戻ると、邪馬台国の所在地論争というこの問題については、ちょっとかじっている人にとっては、邪馬台国北部九州説を信じる人にも近畿大和説を信じる人にも、どちらのサイドでも、この番組は、少々物足りないものであったろうと思います。 九州説の人には、なぜNHKは、邪馬台国がほぼ大和地方で決定したかのように取り扱うのかと、そして、大和説のひとでは、なぜ、確定しているのにまだ吉野ヶ里などの関係ない遺跡を取り上げるのかなどなど。
 
 でもまあ、まったくこの論争を知らない人には、卑弥呼の鬼道と道教との関係など、かなりおもしろいものがあったのではないでしょうか。
 
 私は、以前から鬼道と道教の関係を少しは知っていましたが、去年秋の纏向遺跡の発掘成果で、桃の種が大量に出たことは、この番組の数日前にあったNHKのニュースで、知ったばかりでした。
 
 古代史の最新情報を得ようと、ネットで探しているのですが、なかなか難しいものです。 学会発表の内容とか最新の発掘状況などの情報を詳しく知る手がかりはないものでしょうか。
 
 まあとにかく、前にも書きましたが、この邪馬台国の所在地問題、東大と京大の学閥のメンツや、戦前からの皇国史観のカラマッタ学者の存在なんかもあって、何か論理的な議論が出来てこなかった面もあると思います。 そして、これまでは、仮にどちらかに所在地が確定すると、それと異なる地域を主張していた学者たちの長年の努力は、無になる、そして、研究費は激減するということで、何が何でも自説の固執せざるを得ないところがあったとは思います。 
  
 しかし、今は、ほとんど大部分の学者の間では、この所在地については、同一地域に固まりつつあるので、その地域で確定したときには、大した混乱はなく、もう一つの地域を主張していた少数の人たちの個人的な犠牲に終わるのみになるのだと思いますがーーー。 
 
 私も、今の主流派の意見に賛同する者ですが、しかし、ナニセ1800年も前のことです。 歴史に100%などは、ありません。 戦国時代の事柄でも、新たな発見がいくらでもでてきます。 現代の政治家の言動も、どこまで真実かわかりません。
 
 でも、この問題は、もう時間を費やし過ぎているので、ぼちぼちこれぐらいにして、私が還暦を迎えるような頃までには(あと7-8年)、この問題を決着させ、次なるステップ、たとえば天皇家はどこから来たか、などをもっと科学的なアプローチで具体化できるよう、考古学・古代史学の進展を期待するばかりです。
 
 極端に言うと、天皇家の出自がわからないと、この国に本当の意味での民主主義は達成できていないと、私は思うからです。
 
 まあ、邪馬台国の所在地そのものについては、片岡さんという私の親友でも、私とは違う意見を持っているということからも、ナカナカ難しいものですが、そこは、空想のハタラク余地のある遠い昔のことです。 お互いにロマンを語り合うこともまた楽しいものです。 では。