バイリンガルへの道(日本人としての誇りが先かな!)

  私が、こうしたことを書いているのも、国際結婚やイクメン(育児する男性)が、これからも増えていくに違いないので、少しは参考になるかなあ、と思うからです。 私のは、たぶん、平均的なもので、もっとうまく日本語教育をする人もいるでしょうし、あんまり気を使わない人もいるでしょう。 私のが、いい例にあるいは悪い例になるにせよ、参考になることが重要と思うからです。
 
 ほんとに、日本語を一人で教えるのは、西欧語より難しいものです。 ご存知の通り、日本語では、女性語・男性語の差異も、西欧語より格段に大きいし、年長者と若い人の言葉使いも大きく変わりますし、敬語ももちろんです。 
 
 以前、私は、沖縄で、日本語学校の教師をしていましたが、日本語学校は、女性の教師が圧倒的に多くなっています。 それで、習っている外国人の男性生徒も、女性語を多用してしまうということが、よくありました。 例えば、食事のとき、「うまい!」というような表現を知らなかったり、などです。  まあ、最近の日本の若い男性も、なんでも「おいしい」を使う傾向にありますがーーー。
 
 話は、少し反れますが、女性の方が、外国語の習得が優れているというのは、ほぼ間違いないことでしょう。 その理由として、脳のある部分の発達が優れているとか、脳の活性機序が、男女で異なるなどと言われてますが、実際の行動で、男女の違いを言うとすれば、私は、女性のモノマネのうまさにあると思います。
 
 男は、どうしても、恥ずかしさからか、適応能力の無さからか、それまでの自分の話し方や思考様式を離れて、外国人が言うとおりの言葉使いが出来ません。 その点、女性は、すぐにできます。 方言でも、あまり日本人として必要のないような表現でも、ナンデモコイです。 言葉以外にも、外国の文化一般にすぐ馴染むのは、女性のほうでしょうかね。(これは、確定的かどうかわかりませんが)
 
 それで、私の子供たちの現在の日本語は、どの程度かと聞かれれば、これは、やはりあまりカンバシクないでしょうね。 特に、聞くことよりも、私に話しかけるのが、難しいようです。 まあ、これは、私が、厳しい父親であると思っているのも、一部影響しているのかもしれません。 私としては、特に厳しいとは思ってませんが、周囲のアイルランド人の生活ぶりと比べて、日本人の私の時間にキチッとしていたり、整理整頓の躾をちゃんとするように言ったりする態度があるものだから、必然、そう感じるのかもしれません。
 
 まあしかし、これは、いたしかたのないことでもあります。 日本語の習得は、とても大事ですが、日本的な価値観をまったく持ってないような子供にもしたくないので。 その点について、さらに言えば、日本語を勉強しようと子供たちに思わせるのには、私のように全く孤島にいる日本人の場合、日本や日本人についての誇り(プライド)というものを、子供たちにしっかり持ってもらわなければ、全てのことが前に進まないということがあります。
 
 私の子供たちの目からはもちろん、イジメの原因にならないためにも、近所のアイルランド人の子供の目から見ても、この地でたった一人の日本人である私が、周りのアイルランド人の父親たちよりも、いろんな面で劣っていないということを示す必要がある、と私は思っていますし、そのために行動しているつもりです。 
 
 これは、極端なことや過剰反応と思う日本の方がいらっしゃるかもしませんが、私は、現実だと思っています。前に書いた、日本にいた中国人夫婦のようなことも、やはりあるのです。
 
 さて、長くなりましたが、この関連の最後に、ややこしい日本語の単語のアクセントを子供たちに教える上で、私のやっていることを次に書きたいと思います。