クライマーズ・ハイ、日航機墜落事故の日

 今日は、8月12日です(日本時間では、もう13日になっているでしょうが)。  25年前に、大きな飛行機事故がありました。 NHKのニュースでも扱っていました。 この世界最大級の飛行機事故については、私も個人的によく覚えています。
 
 私は、社会人になって2年目、県庁の畜産関係の研究機関に配属されて、やっと1年過ぎた感じの頃でした。、この日は、お盆の前ということもあり、職場の上司たちと4-5名で、姫路の駅前の居酒屋で飲むことにしていました。 飲み会は、7時頃始まる予定だったと思いますが、それを待っている私は、ビルの電光掲示板に、この大事故のニュースが流れているのを見ました。 ショックでした。 「飲み会なんかしてて、ええんかいな!」と、思いましたが、その夜は、結局、酔っ払っていました。
 
 後年、この事故のことを聞くだびに、本当に若輩で、社会に出たての何事にも過敏だった当時の自分のことを思い出します。 この日航機ジャンボ機墜落事故については、その後の話で、生存者か誰か事故関係者に関する部落差別問題があったようですが、詳しいことを忘れましたので、ここでは書きません。
 
 今日、この事故から25年目というニュースを聞き、この事故を扱ったテレビドラマ「クライマーズ・ハイ」というドラマが、また見たくなり、見ました。 5年前に放送されたものをDVD録画してましたので。 このドラマは、私は、テレビドラマの歴史の中でも、ベスト10の中に入るくらい、いい作品だと思います。
 
 もちろん、実際のあんな大きな事故を絡めているわけですから、人々の関心を引きやすいというのは、あると思いますが、それにしても、仕事に対する考え方、上司や部下との人間関係、親子の関係、友人関係など多くのものを包含して、この一大事件の報道が進んでいく。 まあ、西洋人から言えば、いつものように、「なぜ夫婦愛があまり出てこないのか?」と、言われそうですが、まあ、それは横に置いといて。
 
 私が、特に好きなのは、主人公の佐藤浩市が、上司の岸部一徳と侃侃諤諤と議論を戦わせるところですし、彼らが、自分たちのやってきたことを過大解釈し、あるいは、自己満足し、その後の記者生活の支えにしてきたというクダリです。 これらは、日本中のサラリーマンの誰にでもある心理や行動を代弁していると、思います。 
 
 もちろん、実際の職場で、上司にケンカを売れるような強い部下・後輩は、滅多にいないでしょう。 でも、このドラマのそれらのシーンは、良識あるサラリーマンの心の激白である。 また、自分のやってきたことを美化、過大化して話しかける上司を、私は、何人も見てきました。 本当にシラケます。  私のサラリーマン経験は、公務員としての9年間と、外国人に日本語を教える民間の日本語学校での教師としての2年間くらいしかありませんが、こういうことは、よくわかります。
 
 このドラマの数年後に出た同じNHKの「ハゲタカ」というドラマもかなりの評価を受けましたが、私は、クライマーズの方が、より普通のサラリーマンの心情に訴えるものがあると思っています。 どちらの作品にも、武市半平太の大森南朋が出ていましたが、ハゲタカの主役よりも、このクライマーズの颯爽とした若者像の方が、生き生きとしていいです。
 
 まあ、主役の佐藤浩市は、私とほぼ同年代ですし、三国連太郎の息子ということもあって、私には、どうも気になる存在です。 彼のデビューに近いテレビ作品も見てます。 それは、同じNHKの土曜ドラマ系だったと思いますが、若山富三郎が主演だったと思います。 このシリーズもとても面白いものでしたが、その一つに、岸恵子の息子役で出ていたのが、佐藤浩市でした。 
 
 その時の芝居振りは、私には、とてもヒドイものにみえましたが、専門家の意見は、よく知りません。 まあ、それから今は、日本を代表するような役者になっているようですね。 まあ、私には全然関係ないけど。