アイルランドに来てみて、すぐわかったこと。

 そして、私は、34歳のときアイルランドに来ましたが、その来たかった理由の半分は、間違いでした。 まず、住むにあたって、一番困ったことは、この国の物価がとても高かったことです。 英語圏の中では、恐らく一番物価が高いでしょう、それは2010年の今でもそうです。 いや今はもっとひどく、イギリスポンドが安くなっていることもあって、北アイルランドとの国境付近の住民は、皆北アイルランドにショッピングに行くので、問題になっています。
 
 それと、人々の人心が、おだやかではないか、と思ったこともたぶん誤りです。 いままでの私の文章で、この国の人々の国民性が、多少おわかりだと思いますが、やはり、黄色人種にはあまりそう好意的な感じはしません。 もちろん、傾向としてですよ。 個々にリベラルな人は、いろいろいましたがーーー。 まあ、日本人も含め、外国人に対する(特にアジア人・アフリカ人)態度は、まだまだ、向上の余地があると思いますから、これは、世界中どこでもです、主流派の意見は。 2010年の今でも、どこかの国では、外国人への地方参政権、ましてや、強制的に連れてこられた人々にたいしての選挙権の付与すら、ゴタゴタしているのですから。
 
 英語そのものも、アクセント(方言)が強かったり、単語自体がアメリカ英語と結構違うので、苦労しました。 でも、英語に関しては、アイルランドの英語をちゃんとマスターしたなら、アメリカ英語もほぼ完璧になるのは、まちがいありません。 それだけ、アメリカの文化・言語が、流入してくるからです。 ただ、その逆は、わかりません。 アメリカ人は、他の英語圏のアクセントを聞く機会が、あまりおおくないからです。 もちろん、私は、アイルランドの英語もマスターしてないので、アメリカ英語も完全ではありません。
 
 それでも、まあ、何とかこちらで午前中は、英会話学校に行き、昼からは、同じクラスの10歳くらい若いヨーロッパ人たちと談笑しながら生活していました。 そのうち、その若者たちは、それぞれ国に帰って行きましたが、私は、2年ぐらい滞在しようと考えていたので、そのままいました。 だんだん、授業も難しくなって、面白くなくなってきた時、今の妻と出会うことになりました。 でも、この話の続きは、またのちにします。 
 
 これから、私は、前にちょっと書きました、日本で、私が味わった失恋のことを書きたいと思います。 この、失恋に関すること、いや、恋そのものではなく、その裏にある大きな問題のことを書きたいからです。