アイルランドに来た理由ー公務員を辞めて

 私は、日本では、地方公務員でした。 9年間働きました。 そのこと自体に不満はなかったし、むしろ、大多数の人が想像するように、恵まれた職場でした。 いい上司にも恵まれ、その人からは、”何でもっと親切に県民の皆さん(お客さん)に対応しないのか”と怒られてから、県庁マンとしてどうして奉仕していいのか悩んでいた私は、道が拓けたような気がしました。 
 
 でも、その人とも異動で離れたこともあったり、定年までの自分の道筋が見えたような気がして(もちろん、ずっと働き続ける大切さとその難しさを知ってはいますが)、思い切って、人生をまったく別な方向で生きてみたいと思ったからです。 
 
 また、自分は、子供の頃は、恥ずかしがり屋で引っ込み思案でしたが、その頃までには、どんな人の前でも何百人の前でも、自分の知る範囲のいろんな話や議論をすることができると、思ってました。 でも、世界中のひとと同じように議論できるようになるには、やはり英語を磨かなければと思いました。
 
 それと、もうひとつは、近いうちに詳しく書きますが、その数年前に大きな失恋をしたこともあって、自分としては、以前からのあこがでもあった外国人の恋人そして嫁さんができないものか、と少し心のどこかで目論んでいたこともあったかもしれません。
 
 そうやって、用意周到にずうーと前から、退職の願いを出し、渡航の準備をしていたのですが、辞めるちょっと前、ある若い女性と仲良くなってしまい、結果的にその人につらい目をあわせた事を申し訳なく思っています。 
 
 英語を学ぶ場として、アイルランドは、すぐ思いつきました。 まず、1.人々が素朴で、純真で親切。 2.物価が安くて生活しやすい。 3.西欧では、あまりみられない民族・宗教問題を北アイルランドに抱えている。 4.アメリカやイギリスのように、偉そうにする大国でない。などと思ったからです。