隣人の突然の死に思う。

  私のこのブログ記事の内容から、私が近所のアイルランド人とは、あまり交流がないと思っておられる読者の方も多いと思います。 まあ、だいたいそんなところです。 大半の人とは、道で会えば、ハローと言い合うぐらいです。 でも中に、3-4人だけ、もうちょっと世間話しをして、冗談を言い合うような人たちがいます。 
 
 そういう中の一人が、おとつい突然亡くなり、昨日、日本でいう通夜があり、私たち家族全員で、行ってきました。(時間は、5時ごろでしたが) このアイルランドの通夜や葬式の様子も、いつか詳しく書きたいのですが、今回は、この人の死に関連して、私が日頃思っていることを書きます。 
 
 この亡くなった男性は、私よりほんの5、6歳年上だけの61歳だったそうです。 死因は、大動脈瘤破裂のようです。 7年前に亡くなった俳優で私も好きだった石立鉄男と同じ死因です。 この近所の人は、こちらでよくある肥満体ではなく、外での作業もよくしていたし、健康そうでした。
 
 本当に、人生いつ終焉が来るか、わかりませんね。 実は、私も若い頃からコレステロールが高い傾向にあり油断すればすぐ上がります。 30代前半で、狭心症のような胸の痛みが走ったこともありました。 大学時代に卵を食べ過ぎたのが遠因(研究室で鶏を飼っており、卵がいっぱいあった)で、社会人になってからは、ほぼ毎日に近い暴飲暴食の生活でした。 締めの駅前ラーメンも、よくやってました。 これが、直接の原因だと考えています。 今は、全然生活習慣が違うので、懐かしく思い出しますが。
 
 ま、そうでなくても、人間いつ死ぬかなどは、本当にわからないものです。 皆さんお分かりだと思いますが、私は、わりと計画を立てるとか、用意をしておくとかをしたいタイプなので、仮に、このブログが、なんのコトワリもなく2ー3ヶ月記事がないようなことでもあれば、それは、私が、突然死したと思って間違いないです。
 
 私と妻は、お互いの葬式や墓について、どうしたいかなどのことをよく話しています。 こちらアイルランドでは、ご存知のように90%以上の人が、カトリック教徒で、その多くは、教会周辺の墓地や独立した場所にある墓地内の同じエリアに葬られています。 火葬も、ダブリンでしかできず、田舎では、ほぼ100%土葬です。
 
 で、私が、妻によく言っていることは、「もう、どんな葬式でも通夜でもいいから、あんたが、一番やりやすいようにやってくれ。 私の死体をカトリック教徒の横に埋めようが、土葬にしようが、何でもええで!」と、こんな感じのことを。 ずっと以前は、火葬して、その灰を我が家の庭にまいてもらい、植物のためにわずかでも肥やしになりたい、などのことも思ったりしたこともありましたが、金も手間もかかりますしね。
 
 以前書いたように、私は、死後の世界などないと考えてますし、死んでからのことには何の注文もありません。 (死ぬこと自体は、もちろん、まだ早すぎるので、怖いですがーーー。)
 
 そういう意味で、少し前、NHKのあさイチで、夫と同じ墓に入りたくない、という妻たちの意見を特集したものがありましたが(あさイチは、社会問題の時だけ録画して、最後の視聴者の意見を紹介する5分間ぐらいだけしっかり見ています。 この5分でじゅうぶん世間の様子がわかるので。 主婦の意見がほとんでしょうが)、人それぞれ悩みは異なりますね。 まあ、そういうことで、私には、墓のことで悩むことはありません。
 
 元に戻りますが、妻の親戚以外で、もっとも身近なアイルランド人の死、その通夜に参列し、残された妻や子供の気持ちを思うと悲しくなるし、人生のはかなさには、かなりジーンとくるものがありました。
 
 これから、もっと歳を重ねていくたびに、仮に、自分は生きていても、周りが段々死んでいく。 自分と生活空間を共有した人達が亡くなっていく、それは、自分の歴史・文化が一部剥がれていくようなものでもあると言えるし、きっと益々寂しく心細い気持ちになるのでしょうね。
 
 話は、ちょっとだけ変わって、認知症(これは、認知不全症とかの名前の方がいいと思うのですが)では、家族にかかる負担や費用が、癌や脈管系の病気によるものより、そうとう大きいというニュースがありました。 そりゃそうでしょう。 端的に、期間が長い。 私の母は、認知症ではなかったのですが、リューマチ・骨粗鬆症などで長い期間の入院の末でしたが、父は、かなり長期間癌を患いましたが、死ぬ直前まで、わりと元気でした。
 
 この前、NHKで、癌の終末期の治療を拒否した建築家の話がありました。 本当に体が弱ってきたのは、テレビでみるかぎり、1週間もなかった感じです。 私も、死ぬならこういう感じの方がいいです。 いま、認知症の治療薬なども、早いスピードで開発されていますが、私の世代には、間にあうのでしょうか?
 
 以前にも書きましたが、私の場合、少なくとも子供達が成人するまでのあと10年ぐらいは、元気でいたいですし、その後は、モウケモノと思うぐらいで、生きられたらと、今は、思っています。
 
 知り合いの死に則して、いろいろ雑多な思いを書きました。