錦鯉の水槽作り ③ ブロック積み1段目

 前回の内容のうち、少し補足説明したいものがあります。
 
 まず、水槽のサイズですが、土掘りで岩盤にぶつかったと書きましたが、四方にそういうことがあったというわけではありません。 が、私の家の場合、簡易浄化槽のパイプが地下に敷かれているので、それにブチ当たらないようにしたことと、家の方へは、もうこれ以上近づけたくないという2方向の制約があったため、この大きさになったということです。
 
 それと、底抜きのあの洗面器、前回の写真では、カバーがありましたので、より分かりやすいものを下に示します。
 
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 黒っぽい部分が、その洗面器で直径約20cmあります。 パイプの直径は、約10cmです。 このような底抜きのやり方の濾過方式では、これぐらいの太さのパイプがいるようです。 日本にも同じようなものがありますかね?
 
 けっこう太いので、接着剤でくっつける時は、かなり力がいりますので要注意。 この洗面器の一番上の部分が、将来の水槽の床(底)と同じ高さになります。 そのため、後でまたコンクリートを床全面に流し込むことになります。
 
 これらのプラスチック製品の合計費用は、ざっとで100ユーロぐらいでした。
 
 
 いまから、いよいよブロック積みなのですが、今回のこの水槽は、前にも言ったように地上約90cmの高さを計画しています。 この高さは、イギリスなどでよく見られる水槽より、かなり高いものです。 普通は、60cm以下のものが多いようですし、大半は、30cm程度のものです。 そのかわり、地下が深いわけです。
 
 彼らは、子供や家族といっしょに鯉の鑑賞を楽しむことが多いのですが、この高さだと子供には結構危険なものだと思うのですが? 水槽内に一度落ちれば、はい上がるのはかなり困難ですし、深さも1.5mぐらいあるので、幼児が落ちると命取りになります。
 
 私の場合は、それより高くするので、そのような問題は、まずないのです。 ただ、その分、壁の強度(つまり厚さ)が、十分でなければならないということです。 それで、私は、こちらで市販されてるコンクリートブロックを横に寝かして壁を築いていくことにしました。 壁作りに用いたブロックは、姫路城の石垣を作ったときのものと平面のサイズは、同じ(43cm×21.5cm)なのですが、厚みは、1.5倍(約15cm)あります。 ちなみに重さを測ったら、1個が28.5kgもありました。
 
 姫路城の時にも書きましたが、ここアイルランドでは、横穴のあるブロックは、建築資材としてほとんど使われていません。 イギリスの鯉愛好家の中には、水槽づくりに横穴ブロックを使っている人もいます。 ただ、その時は、積んだブロックに、あとから鉄筋を差し込んで、コンクリートを流し込まなければなりません。 私のは、その手間は要らないということです。
 
 ブロック積みは、1段目(層目)が一番難しいと思いますし、一番肝心でしょう。 その下の溝に張ったコンクリートの基礎は、均したとは言え、かなり凸凹ですから、1段目のブロックでたて横の関係を正確に水平にしていかなければならないからです。
 
 それと、この水槽の場合は、岩盤を完全に撤去できなかった部分は、そのままにして、ブロックのほうを削りました。(下、右写真)  要は、内側のラインがきれいに長方形になっていればいいわけですから。 それと削ったブロックと岩盤部分は、コンクリートでくっつけますし、あとで、土を埋め戻すので、美観的にも何も問題はありません。
 
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 また、この水槽の壁の高さは、約90cmにするつもりなので、このブロックを、9段か10段積み上げることになります。 だから、最終的に周囲全体が同じ高さになれば、水槽としての役目はあるわけですが、やはり1段1段全体的にかなり水平にしておかないと、壁自体の強度という面でも問題がありますし、あとで、なかなか修正の効くものではないからです。
 
 ということで、日本のプロの左官屋さんが、どういうやり方でされているのか、よく知りませんが、私も、ナイロン紐を張って、真っ直ぐなブロックのラインを作っていこうとしましたが(上右の写真)、これだけでは、あまりうまくいきません。 結構ズレました。 たぶん、私は、プロのやり方が出来ていないからでしょう。 だから、私の場合は、自分の目でいちいち確かめていました。 
 
 それと、皆さん、長方形の向かい合った辺が、それぞれきれいに平行でも、その形が、正確な長方形にならないは、お分かりですね? そうです、それだけだと平行四辺形になってしまう恐れがあるのです。 正確な長方形をつくるには、その四角形の内側にある2つの対角線の長さが、同じにならなくてはいけないのです。
 
 そういうようなことは、私の場合、巻尺や木材、あるいは単にヒモのようなもので、その長さや水平ぐあいを調整していきました。 ゆっくりやれば、誰にでもできると思います。
  
 こういった感じで、壁の厚みが、21.5cmの水槽の1段目ができました。 あ、このぶ厚いブロックは、1個1.17ユーロでして、私は、このブロックを全部で恐らく400個以上使うでしょう。 
 
 で、なんとかブロック積みで一番難関の1段目ができました。 2013年12月初旬。
 
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