テレビ番組、雑感。

 最近見たテレビ番組から感じたことを、それぞれ簡潔に述べます。
 
①2-3週間前、糸井重里の司会で、NHKが、テレビの未来についての視聴者参加番組をやっていました。 その番組は、ネットなどで何百人かと繋がり、意見を聞くものでした。 テレビを見るかとか、テレビは面白いか、などを問うていましたが、それらに対する肯定的な意見は、どれも、ほぼ30%以下ばかりでした。 なのに、最後にした、テレビに未来はあると思うか、という質問だけは、あるという意見が、3分の2ちかくありました。 何か、ヤラセ臭い内容でしたね。 そんなに、終わりよしの番組にしなくてもいい、と思うけどなあーーー。
 
 今の多種多様な価値観・趣味の時代に、まだ、テレビを見る人が30%もいることは、いいことではないですか。 あまり、一つのメディアに偏るのは、健全でないでしょう。 
 
 ただ、私個人としては、テレビっ子であったし、今も大好きで、仮に、パソコンとテレビ、どちらか一つにせよ、と言われたら、最近とくにパソコンを多目的に利用することが多く、その有り難みを感じていますけども、今の時点では、まだ、テレビを取ると思います。 数年したら、変わるかもしれませんが。
 
 それにしては、NHKの紅白歌合戦、なんであんなに視聴率があるの? まあ、私世代以上の方には、ほとんどBGMの感じでしょうが、あの「ヨイトマケ」だけは、良かったですね。 今日のヤフーニュースにも、あれ以降、ヨイトマケが大好評であるらしい、とありました。 私としても、こういう根性のある歌をもっと聞きたいものです。
 
②根性のある番組と言えば、NHKで今やっている「いつか陽のあたる場所で」というドラマがありますね。 犯罪歴のある若い女性たちのその後の人生の葛藤を描いています。 最初の2・3回に比べ、ここ2-3週(今週8回目)のは、かなり深刻な内容になっており、私は、楽しみましたが、恐らく、視聴率は悪いものだと予想します。 ただ、今さっき言ったヨイトマケの唄のこともあり、こういうシリアスなものを見る人も増えているかもしれないと、半分期待しています。
 
 私自身も、恋愛の相手に、付き合いたいだとか告白したりするときには、例の出自のことが、いろいろ頭をカスメた経験があるので、こういう設定のドラマには、どうしても興味を持ってしまいます。 以前で言うなら、「電車男」なども、そんな気になる番組でした。
 
③こちらで、JSTV以外のチャンネルもどきどき見ます。 主に英語のチャンネルですが、英語放送は、ユーロニュース、BBCワールド、アルジャジーラなどが見れます。 で、それ以外に、中国と韓国の国営の英語放送が、24時間やってます。 もちろん、無料です。 日本からは、NHKの国際放送が、主にニュース番組だけの編成のものが無料で見れますが、とぎれとぎれであり、とても24時間などではありません。 少なくともヨーロッパでは。 
 
 この発信力の差は、大きいと思います。 中国のは、中国語での24時間放送も見れます。 この中国語の放送は、英語版に比べ、より自国誘導のプロパガンダ的な内容になっており、尖閣の問題などを解説番組などで頻繁に取り上げていますし、もちろん、日本の意見などはほとんど紹介しません。 まあ、これは、字幕の中国語の漢字からの推測ですが。
 
 韓国のは、ニュースはあまりなく、例のK-POPの宣伝放送局みたいに、ショッチュウ芸能ニュースを流しています。 いずれにせよ、情報量の差は、歴然です。 世界の人が、そんな各国のプロパガンダ的なマヤカシの情報に惑わせらないということであれば、いいのですが。 それと、JSTVも、ドラマなども含め、全て無料になれば(英語放送で、ドラマなどには、英語の字幕がつくようになっても、かまわないから)、私の家計も助かるのですが、そんなことはないか、ねえ、安倍さん!
 
④外国にいると、どうしてもその国の日本を見る目が気になりますが、私は、もうこのアイルランド人が、日本をどう思おうとあまり気にしていません。 情報の不確かさと、相手国をあまり尊重しない言い方、カメラワーク、そういうものが嫌いですから。 
 
 以前にも、イギリスの放送では、結構、他の国を蔑視したり、からかったりする表現が多いと書きましたが、彼等は、まず自分が、世界の中心みたいな感覚、あるいは、自分の常識が世界の常識のような発想しか持ち得ないので、彼等が、日本の社会や文化のことを取材した番組を見ると、腹立たしいものが、いつもこみ上げます。
 
 先日も、アイルランドの番組が、去年、東京で、アメリカ人に殺されたアイルランド人の若い女性の東京での裁判の様子を放送していました。 裁判のやり方や刑務所におかれた囚人の扱いなど、権威主義的とでも言いたいのか、批判ばかりでした。 確かに、問題はあるでしょう、
 
 しかし、ここアイルランドの刑務所の実態は、それはひどく、囚人に麻薬などの物品が簡単に行き渡ったり、所内に暴動などがあったりするなど、統制もとれてはいないし、第一、ここアイルランドでは、囚人の数が多すぎて、刑務所が足らないので、軽い犯罪の者は、本来なら刑務所に入るところをパスされている者が多くいるのです。 
 そういう、自分とこの非をみないで、他国の、それも本当の情報をよく得もせず、そして、大局的なもので言及しない、このカトリック教徒たちの意見には、呆れています。
 
 先ほどの、中国の放送局のことですが、興味あることがあります。 それは、例えば、日本の新しい総理大臣が誰になったかとか、韓国の新大統領のこととか、を詳しく取り上げることです。 もちろん、さっきのプロパガンダのことを気をつけていないといけませんが、そういう事実だけでも流すことは、やはりアジアの人間が制作しているのだなあーーと、感じます。 
 
 アイルランドでは、そんな報道は、一切ありません。 日本関連のニュースが流れる時は、何か災害か、経済の不振などのマイナスの情報の時ばかりです。 日本でよくある、海外の面白い文化や世界遺産などの紹介をする番組に似たものは、ほとんどないです。
 
 最近、ここアイルランドでも、中国系の人間がかなり増えたことにも関係ありますが、習近平が、少し前まだ副首相の時、ヨーロッパへの訪問で、まずアイルランドに3日間滞在するなど、アイルランド政府の中国寄りの態度が顕著になってきています。 (それを少し危惧するアメリカ人などもいますが) 中国は、アイルランドに大きなカジノの建設する計画もあるそうです。 アイルランドは、中国の経済力を頼りにしている感じですが、足元をすくわれないようにしないと、あぶないよー、などと私は思っています。 ではまた。