色即是空は、そんな意味だったのですか?

 もう一つの番組は、Eテレからのものだと思いますが、「百分で名著」というものです。 で、今月は、「般若心経はんにゃしんぎょう)」を扱っています。
 
 今週は、この般若心経の2回目、「色即是空(しきそくぜくう)」という有名な言葉を説明していました。 私は、禅宗の本を、以前、よく呼んでいたので、この言葉の大まかな意味は知っていたつもりでした。 この世の全て、物質的なものは、何の実体もない空虚なものだ、虚しいものだ。 だからそんなものに執着するな、みたいな。 だいたい、こんな意味であると理解していました。
 
 しかし、こちらで、おととい見たこの番組の講師は、この意味は、「全ての物質的なものの存在は、空(くう)である。その空というのは、いまだ人間が知り得ない、この世の大きなルールのようなものである。」という感じのことを言いました。 びっくりです。 いままでの認識とかなり違っていました。 この講師、花園大学の佐々木 先生によれば、空というのは、物理学者が、今、血眼になって探求している宇宙の「統一理論」のようなものであるというのです。
 
 統一理論というのは、重力や原子核の中での力の源を説明し、宇宙の成り立ちを説明する究極の理論なのですが、それは、まだ解明されてはいません。 例のヒッグス粒子なども関係してくるようですが。 とにかく、色即是空が、この理論とほとんど同じ事を言っているのだと言うのです。
 
 ホンマかいな、と思った私は、身近な辞書などで、色即是空を調べましたが、どの説明も、いままで私が思っていたようなものでした。 ということは、これは、新しく多くの学者の間で、考えられている説なのでしょうか。 それとも、昔からあって、多くの一般人は、誤解していたのでしょうか。 それとも、この先生やこの人の周囲、または、ある特別な宗派の人たちだけの見解なのでしょうか。
 
 いずれにせよ、NHKで堂々と言っているということは、それなりの自信があるのでしょう。 もし、この説が正しいとすれば、番組のゲストなども言っていたように、我々の存在や行動の全てが、何か意味あるものであり、逆に言うと、大きな法則の中で、我々は生かされているという、ある種の安堵感も得られるということなどもあり、なかなか、興味がつきません。 来週は、第3回目。 「無」が、テーマだそうです。