本当にテレビっ子でしたし、今も、そう。

 前回、私の高校の同窓の人を、スーパーウーマンなどと形容しましたが、もちろん、それは、彼女の業績に対してであり、何も全人格的にスーパーだと言ったつもりではありません。 おそらく、彼女が、私のブログを見たとしたら、「上野さん、そんなことないですよ。 私は、スーパーなんかではないですよ。」というような言動をしたと思います。
 
 まあ、そうでなければ、がっかりですが。 人間誰しも、個人個人、悩みや壁があり、絶対の自信なんかもっていない。 それだから、他人に優しくできたり、謙虚であることの大切さを知るのだと思う。 でも、社会的に影響力のある人(ほぼ有名人に相当しますが)は、ある分野でのすぐれた仕事から、弱い自分を奮い立たせても、他人を激励しようとしている、言わば、自己犠牲の精神のそうとう強い人ということになる、と思います。 
 
 もちろん、そういう人たちの中には、成功による金銭や名声に押しつぶされて、自己を失う人もいるでしょう。 まあ、それもこれも、世の中の宿命と言いますか、人間の弱さを表す一つの結果として受け止めるしかないのでしょうか。 政治家なんかも、本当に大変だと思う、まあ、彼らが、本当にまじめにやっていればの話ですが。 
 
 そういう立派な人たちとは違って、かつて、上岡龍太郎が、皮肉っぽくよく言っていた「小市民的な」幸せを、私は、今、存分に味わっています。 上岡龍太郎は、権力にもスルドイ口調でモノ言いしましたが、社会的に弱い立場の人間にも、ときどき同じような口調で言う悪い癖があった、と私は思っています。 だから、彼は、あまり好きではありません。 
 
 まあ、それは、ともかく。 今の私は、子供たちと、そして時々は、妻も加えて、自分の家の庭先でサッカーをするのが大好きで、それは至福の瞬間です。 日本では、さしずめキャッチボールというところでしょうか。 でも、サッカーのほうが、ランニング・マシーンの代わりになるほどの運動量があり、子供たちとの団欒と自分の運動との両立ができるため、とても楽しい時間となっています。
 
 今、私は、趣味も多く持っていると、以前書きましたが、その趣味の参考にするためにも、テレビ番組は、欠かせません。 日本庭園、錦鯉、日本犬、武道・格闘技、日本古代史(主に邪馬台国と天皇家の起源)、人類の起源、生物の起源、宇宙の起源、禅の精神、お城、仏閣、健康、世界の地理や風景、イヌ科・ネコ科の野生動物の生態、そして、人権問題、日本語、英語(主に歴史)、アイルランドのこと、などなどに関係する番組があれば、録画などしたりして、じっくり見ます。 
 
 でも、これだけ多いと、毎日どれか見たい番組にぶつかります。 たった1局の放送局ですがーーー。 そして、ニュースも大好きですし、口蹄疫や鳥インフルエンザのことなどは、かつての獣医として、より真剣に見てしまいますし、昔の知り合いを見ることも多々あります。 おもしろいドラマも、もちろん見てます。 本当にテレビっ子です。 いや、テレビ・オジンと言うべきか。
 
 それと、以前は、まったく興味のなかった料理番組も、今は、自分がつくっているということもあり、アイルランドで手に入りやすい材料で、簡単に作れて、ボリュームのあるものはないかと、「今日の料理」を時々チェックしています。 でも、グルメ番組は、いまでも全く興味ありません。
 
 ここで、さらに下世話なことを言いつづけますと、子供の頃のテレビ番組で、もう一度見たいとすれば、数年前に亡くなった石立鉄男のホームドラマの数々です。 私には、彼は70年代を通して主役を張った一代スターだということと、コミカル・シリアス両面こなせる数少ない俳優であったという印象が強いです。 「雑居時代」などは、いつ見ても飽きません。 
 
 他には、中山千夏の「お荷物小荷物」がとても印象的でした。 反戦思想などの政治的テーマを抱えつつ、男女間の微妙な心の動きを、当時、小学5年生であった私には、少しわからないところもありましたが、何か引き付けられる番組でした。 この番組は、舞台裏も紹介するなど、今ではよくあることですが、40年前の作品としては、画期的なことだったと思います。
 
 その他には、私が、中学校で、柔道を始めるキッカケとなった柔道ドラマです。 「柔道一直線」もそうですが、私には、同じ頃にあった竹脇無我の「姿三四郎」が、特に忘れられません。 この番組で、お寺の和尚が、三四郎によく言っていた「悟りは、常に脚下にあり!」という言葉も、当時は、何のことカイナという感じでしたが、今は、私の座右の銘の一つです。 
 
 そして、この番組の主題歌、姿憲子が歌い大ヒットした「やればできるさ、できなけりゃー、男はもう一度やり直すーー♪♪♪」という歌詞も、私は、よく口ずさんでいます。 まあ、男女同権の今、「男は、もう一度やり直す」のところは、「人は、もう一度やり直す」の方が、いいでしょうがーーー。
 
 それと、最後に本当に古い番組ですが、私が、小学低学年の頃、木下恵介監督によるテレビドラマが、何本かありました。 数年後の木下恵介アワーにつながる作品群だと思いますが、その古い方のものは、白黒で、いつも悲しいけれど、希望が湧くといったような、映画「二十四の瞳」に似た作品群だったように覚えています。 「桜の苗が、大きく育つ頃、僕らは、みんな大人になるんだーーー♪♪♪」といった主題歌もありました。
 
 それから、ほんとに大人(それも後半)になってしまった自分ですが、それらの番組を、小さいとき、いつも母のそばで見ていた記憶があり、優しかった母親のこととダブらせて思い出します。  今、テレビ関係で、私が、思っていることは、こんな感じです。 では。