日本人の永遠のテーマ、LとR

  引き続き、カタカナですが、DとTが、母音を伴わない場合(語尾にくるなど)は、それぞれドゥとトゥと書き、母音を伴う、例えばTOの場合の普通のトと区別する。 TIの時は、ティと表記する。 その他の子音は、あまり問題ないと思うので、特に変更なし。 例えば、実際、現代日本人の「私は、学生です。」という時の最後のSUという発音は、ほとんどUの音がなくなっている場合が多い。 
 
 それで、あの英語の中のTHの発音は、カタカナ表記では、無視する。 こんな変なミニクイ発声音(舌を出し、あまり美しいものだとは、私には思えません)は、ほとんど他の外国語にも無く、英語にしかないので、無視してもいい。 前に書きましたが、アイルランド人でも言えない人もいる。 もちろん、英語をまじめに勉強する日本人には、別ですが。 で、THの音は、従来どおり、スとかズで対応する。
 
 いままでのところで、私のオリジナルと言えるのは、FUをフゥと書く、ということぐらいです。 その他のものは、以前から言われてますし、実際使われているのをよく見ます。
 
 さて、実は、私が、一番付け加えたいカタカナ表記は、外国語にあるLとRの区別をするというものです。 日本人にとって、ほとんど同じに聞こえる、この二つの音ですが、日本語以外では、ほとんどの外国語で、LとRに似たような区別があります。 そして、Lは、だいたい同じような音なのですが、Rは民族によってかなり変化があるようです。 
 朝鮮語(韓国語)は、日本語と同祖で、LとRの区別がないと、本などでは書かれている場合が多いですが、実際、現在のハングルをローマ字表記しているのを見ると、LもRも両方使われているのを見ることができます。 音の関係では、どのように違うのか、私は知りませんが。
 
 私は、以前、アイルランド人によく聞きました。 「LとRというのは、どれくらい違う音なのか?」とか、「日本人には、違っていることが分かったとしても、かなり似ている音であるのは確かだか、どう思うか?」など、のような質問でしたが、彼らには、私の質問の意味が、よくわからなかった。 LとRは、彼らにとって、TとKのように明白な違いのある音のようであるから。
 
 とにかく、このLとR、日本人には、非常にヤッカイです。 あるアメリカの学者が、日本人を使った実験で、英語のLとRが、日本人の子供の何歳ぐらいから、その区別ができなくなるか、というものをしていました。 その学者によると、日本人の脳は、1歳か1歳半で、この2つの音を区別できなくなる、と結論づけていました。 ちょっと、可哀想な日本人という感じで。 
 
 私なんかは、腹立たしい感じがしました。 それは、アメリカ人の視点からだけであって、日本人から視ると、アメリカ人にも、日本語のラ・リ・ル・レ・ロを正確に発音することは、至難の技だからです。 アメリカ人の脳も、ラリルレロに適応できていないということです。 日本語のラリルレロは、RでもLでもないからです。
 
 でも、要するに、「その母語にない音は、乳児期以降に獲得することは、不可能である。」と、この学者は、言っているのです。 でも、もちろん、日本の中学生や高校生が、海外留学して、ほぼ完璧の発音を獲得しているのを皆さん、ご存知です。 
 この事実は、上の学者の実験が、誤ったものなのか、それとも、人間は、例えば、脳の他の部分を活性化して、乳児期以外の新しい音の習得を、可能にしているのかもしれません。
 
 まあ、でも普通の大人の日本人には、LとRは、難しいです。 私は、この二つの音をカタカナ表記で、分けることによって、聞き取りは難しくとも、せめて、自分の発音にいかせるのではないかと、考えています。 新しい人名や地名は、これからもいっぱい入ってきます。 そのときに、LかRの違いだけでもわかっていれば、外国人にもわかりやすくなるし、日本人の海外旅行などで、便利だと思うのですが。
 
 それで、その表記ですが、今はRA,RI、RU、RE、ROが、ラ・リ・ル・レ・ロになっていますが、現代日本人のラリルレロは、どちらかと言えばLA、LI、LU、LE,LOの方が近いと、私などは、思っています。 もちろん、人によって違います。 少なくなりましたが、いまでもドイツ語のRのように巻き舌で話す人もいますから。 
 
 でもまあ、ややこしいので、日本語のラリルレロは、従来どおり、Rで表記することにして、外国語のLの音を、ラに○を付けて書くのは、どうかということです。 パピプぺポのようにラリルレロの上横に小さな○をつけるのです。 Lの音は、舌先を上の歯の上側の歯肉に軽く付けるような感じで発音しますから、その様子を口の横断面で見ると、舌と上顎(硬口蓋)と喉で、一つの丸い円になるので、この記号は理にかなっていると、我ながら思ってますが、どうでしょうかね。