姫路藩は、お城だけでなく、強力な水軍も保持していた!

 ちょっとタイミングが、遅くなってしまいましたが。約1ヶ月前に放送されたNHKの「ブラタモリ」は、私にとって非常に面白く記録しておきたい内容でしたので、ここに書くことにしました。

 私は、この番組は、普段、奈良県や京都市など日本史の極初期の関係のもの以外は、あまり見ないのですが、今回、偶然にテレビをつけていたら、「姫路城」がテーマだったので、じっくりと見てしまい、次の再放送の時に(こちらのJSTVでは、すぐ再放送があるのです)、きちっと録画しました。

  で、今回の姫路城の紹介内容なんですが、その主なテーマは、「この姫路の地に、なぜ、こんなにデカイ城があるのか?」だったと思いますが(まあ、もうひとつ、コメディ的な感じで、なぜ姫路城が、江戸城として映画やドラマのロケでよく使われるのか?、というのもありました)、番組では、その答えより先に、まず姫路城自体の説明、つまり、その威容と美、そして、難攻不落の城(防御態勢の巧みさ)などを紹介していたと思います。

 で、次に、メインのテーマの”なぜ、姫路にこんな立派なお城がある?”みたいなことへの説明がなされた、と思います。 まあ、今は、東京(あるいは関東平野)一極集中ですから、京都や大阪さえ一地方という観がありますが、なぜ姫路のような地方都市で、そんなのが?と思う人は、多いのかもしれません!?

 とにかく、その主たる答えは、姫路やその周辺に住む者であれば、ほぼ全員がわかっています。 それは、大坂城にいる豊臣秀頼の抑えと中国地方や九州の外様大名への圧力です。 姫路城を建てた池田輝政は、徳川家康の娘婿として、かなりの信頼と権力を与えられたようです。 その結果のこの壮大堅固な城、ということでしょう。 (参考:番組では、説明はなかったですが、池田氏のあとに姫路城に入った本多氏は、徳川家康の孫娘そして豊臣秀頼の元嫁の”千姫”を、この城に迎えています。)

 で次に、これは、私も全く知らなかったことですが、非常に興味があったのは、この池田氏の姫路藩、城で山陽道や山陰道に繋がる陸路を抑えているばかりでなく、海上でも西からの軍勢に対処できるよう戦闘態勢を整えていた、というのです。

 姫路城から数キロ南に飾磨(しかま)という海に面した地域がありますが、ここに姫路藩は、強力な軍船を停留配置していた、というのです。 番組では、その場所を詳しく紹介していました。 録画をゆっくり見たので、私は、その場所を自分の記憶にある場所と照合できました。 現在の飾磨港の突端からすれば、かなり北になります。 番組では、こういう事実が、明確になったのはごく最近だと言っていましたので、長年、姫路から離れている私が知らなくても、当然かもしれません。 まあ、今後、この関係の本は、姫路の本屋にはいっぱい出てくるでしょうから、それもまた帰省したときの楽しみになりますが。

 そう、この水軍のことが、今回の私の一番の興味があったことなのですが、番組では、他にも、2・3興味あることを紹介していました。

 その一つは、戦国以後の城の形では、大天守にいくつかの小天守が連結する形を連立式城郭と呼んでいますが、それは、城としては最強の形で、その代表が姫路城であり、最初に建てられた江戸城もそうであった、ということらしいです。 つまり、姫路城は、”西の江戸城”であったと。 (ここで、姫路城が、江戸城として映画で紹介されるのは、案外、的外れでもなかった、と笑いながら。) 現存12城の中で、この連立式なのは、姫路城と松山城だけだと思います。

 で、もうひとつ、最後に、姫路城と江戸城の縄張り構造、つまり、姫路と江戸の町づくりについて、言及していました。 それには、姫路城の周囲には、内堀・中堀・外堀と3重の堀があったのですが(一番外側は、今のJR姫路駅までの壮大な構造です)、この形は、同心円ではなく螺旋型(番組では、蚊取り線香型とも)になっています。 このらせん状の堀も、敵からの防御という点で有利であり、かつ無限に広げることができる、というのが番組の説明でした。

 だから、この姫路城の堀づくりを参考にした江戸城とその町は、そののちも、自在に大きく町を拡大することができた、とこの番組では言ってました。 

 お城自体は、江戸城の方が、姫路城より早く完成したようですが(天下普請のせいなのか?)、縄張り(町づくり)や堀の造成は、姫路の方が、もっと早く取りかかっていたのかもしれません? そのへんは、番組では、詳しく言ってませんでしたけど、とにかく、江戸の町の原型は、姫路の町であった、と!

 まあー、ホンマにそうなんかなー、と思うくらい、今回のブラタモリの姫路城編は、私にとって興味のある内容になってました。 

 ということで、姫路の方で、この番組を見逃したという人は、多分、NHKアーカイブなどで見ることができると思いますので、どうぞそちらへ。 ユーチューブにでたり、DVD化もされるのかな? ではいつか、また? (追加:番組冒頭で、可愛いワンちゃんも出てきますよ!)